かかりつけの歯医者さんって必要ですか? -ミドル世代編-
歯が減ると食べにくい!
「8020(ハチマル・ニイマル)」聞いたことがありますか?80歳で20本以上の歯を残しましょうという運動です。20本以上歯が残っているとなんでも食べれて健康に過ごしやすいと言われています。これを達成するには、40代の過ごし方で達成できるかどうかが大きく変わってきます。厚生労働省の最新調査では達成率が6割を超えましたが、鍵を握るのは歯周病が進みやすい40代にも気を抜かず日々のケアするかどうかです。
8020運動、実際どのくらい達成できている?
達成率は61.5%まで上昇

厚生労働省の「令和6年歯科疾患実態調査」によると、80歳で20本以上の歯が残っている方の割合は61.5%でした。前回(令和4年)の51.6%から大きく伸び、運動が始まった1989年頃(約7%)と比べると、その差は歴然としています。
- 運動開始当初(平成元年頃):約7%
- 令和4年調査:51.6%
- 令和6年調査:61.5%
とはいえ、まだ4割近くの方が届いていない
数字だけ見るとそれなりのですが、裏を返せば約4割の方は80歳までに歯を20本未満に減らしてしまっているということです。5人に2人は食事に不便する未来になる可能性を示しています。この差を生む分かれ道が、実は40代にあると考えられています。
なぜ「40代」がターニングポイントなのか
厚労省の調査では、歯周病がある方(15歳以上)の割合は全体で47.9%、50代以上では2人に1人以上にのぼります。そして年齢階級別に見ると、働き盛りである40代を境に歯周病の割合が年々増えていく傾向がはっきり出ています
歯を失う原因の1位は「歯周病」
歯周病は40代から一気に増える
8020推進財団の調査では、永久歯を失う原因の第1位は歯周病(37.1%)で、むし歯(29.2%)を上回っています。つまり、80歳で20本の歯を残せるかどうかは「むし歯対策」以上に「歯周病対策」にかかっていると言えます。
自覚症状がないまま進む怖さ
歯周病の厄介なところは、初期段階ではほとんど痛みがないことです。「歯ぐきから血が出る」「口臭が気になる」といったサインがあっても、忙しさの中でつい後回しにしてしまう方は少なくありません。気づいたときにはすでに歯を支える骨が減ってしまっている、というケースも見受けられます。
「歯ぐきが下がってきた」は要注意サイン
40代後半になると、半数以上の方が歯ぐき下がりや歯ぐきの色の変化を自覚するというデータもあります。「年齢のせいだから仕方ない」と思われがちですが、実際には歯周病が背景にあることが多く、単なる加齢現象とは限りません。
思い当たる症状としては、次のようなものが挙げられます。
- 歯ぐきが赤く腫れている、ブラッシング時に出血する
- 歯が以前より長く見える(歯ぐきが下がった)
- 冷たいものが歯にしみる
- 硬いものが噛みにくくなった、歯がぐらつく
一つでも当てはまる場合は、歯周病が進行しているサインかもしれません。症状があるから歯磨きしないでいるとより悪化してしまうこともあります。歯を支える骨は一度失われると自然には元に戻らないことも多いため、「気になった時点」では手遅れなこともありますので、何も起きてないうちから定期的検査とケアを行うことで将来に歯が残せるかどうかを左右します。
今日から見直したい、40代からの口腔ケア習慣
- 歯ブラシに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを毎日の習慣に取り入れる
- 磨き方の癖で磨き残しは起こりやすいため、来院の度にブラッシング方法をプロに確認してもらう
- 痛みがなくても、半年に1回程度は定期的に歯科でチェックを受ける
- 歯石は歯磨きだけでは取り切れないため、専門的なクリーニングで定期的に除去する
「治療した歯も含めて、今ある歯をできるだけ長く使うこと」が8020の本来の考え方です。すでにむし歯の治療歯があっても、決して遅すぎるということはありません。
当院でのサポートについて
費用や通院期間について不安に感じる方も多いかと思いますが、まずは検査を行い現在の歯ぐきの状態を一緒に確認するところから始められます。ご自身のペースに合わせて無理のない通院計画をご提案していますので、少しでも気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
お年を召してもしっかり噛める方は6割程度に増えています。その分かれ道は歯周病が進みやすい40代の過ごし方にあります。自覚症状が出にくい病気だからこそ、「なんとなく気になる」段階での早めのチェックが、将来の歯の本数を守る一番の近道です。
出典:厚生労働省「令和6年歯科疾患実態調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-17b_r06.pdf
出典:厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-17b_r04.pdf